日 時:2012年7月27日(金) 場 所:福岡市東区の団地/ 在日コリアン2世の方々7名 マンションの1室に、在日コリアン2世の皆さんが集まってくださいました。最初はお互い緊張していましたが、ヨンドゥさんの穏やかな語り口と皆さんの明るさですぐに場がなごみ、福岡の在日コリアンの歴史や、皆さんの生い立ちなどを語ってくださいました。最初の緊張感がまるでウソのような楽しい雰囲気で、ついにはヨンドゥさんの踊りに合わせてみんな踊り出すという場面も。 |
在日として、福岡で生活する人たち。 ヨン)全羅南道霊岩出身です。高校時代に演劇を始めました。もっと勉強したくて卒業後ソウルに行きました。ある劇場に所属して演劇を始め、その中でダンスに興味を持ち、ダンスをすることになりました。日本とは2004年から交流を始めました。昨年末に福岡に関連した作品を創りませんか?という話をいただいたので、全く知らない福岡の街を勉強する気持ちでこの企画に参加することになり、うれしく思っています。実際、福岡に来てみたら、観光以外に知らなかったし、地域のことも知らなかったので、福岡で作品を創る前に、いろんな方と出会うことで知らないことを勉強しようと財団の紹介で日本に住んでいる在日の方に会いたくて訪ねてきました。こういう機会でみなさんと出会えてうれしく思っています。 Aさん)私は山口県出身です。下関です。福岡は我々の同胞たちが多く住んでいます。全国でいえば福岡が同胞が多い地域です。
Dさん)戦争の随分前、1920年頃に父が稼ぐために日本に来て、母が追って来たんです。そこで生まれたのが私たちです。私は飯塚の炭鉱町で生まれて、86歳になります。それで2世です。在日の中で私の年齢で2世というとおかしいと言われますが、強制連行のずっと前に来たからですね。だから私と同じ年齢だとほとんど一世ですが、私は二世です。
Cさん)口減らしの為に娘たちを早く嫁がせたかったということもあった時代です。 |
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日 時:2012年7月28日(土) 場 所:糸島市の漁港/ 梅本政三さん(漁師) 「日韓のあいだにある“海”にまつわる仕事をして暮らしている方にお話を聞きたい」というヨンドゥさんのリクエストで、糸島の漁港で長年漁師をしている梅本さんにお会いしました。梅本さんはお父さん・息子さんと、三代にわたって漁業を営んでいます。お話を聞いたあとに、“お礼”としてヨンドゥさんが踊りを披露しました。青い空、潮の香り、波に揺れる船を背景に踊るヨンドゥさんに、見ていた犬も大興奮! |
日本と韓国を繋ぐ海。その海で働く人の話を、直接聞いてみたい。 ヨン)どうしても漁師さんたちに会いたかったんです。私は田舎育ちなので、農業をしているところをよく見ていて、やったこともあります。ですが、漁師さんには一度も会ったことがないので、どういう考えをしているか、どんな生活をしているのかがすごく気になっていました。福岡は海が近い街です。その福岡の中で漁師さんは一番大事じゃないかなと思って、今日インタビューをお願いしました。
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日 時:2012年7月28日(土) 場 所:九州大学箱崎キャンパス/ 津田三朗さん(九州大学大学院芸術工学府 技術専門職員) 福岡のアートシーンのさまざまな場面で活躍している津田さんに、九州大学箱崎キャンパスの歴史的な建物などを案内していただき、インタビューをおこないました。このときの出会いがきっかけで、3月の公演を九州大学内でおこなうことになりました。 |
作品の舞台は、日本の歴史を包括する「九州大学」。
福岡はかなりいい場所。だが、プロフェッショナルの絶対数が少ない。 納得のいく作品作りをして欲しい。
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日 時:2012年7月29日(日) 場 所:市内の韓国料理店/ 福岡在住のアーティストの方 この日は、福岡を拠点に活動するアーティストの方とお会いし、韓国料理店で食事をしながらのインタビュー。この方のおばあさんは実は韓国・済州島のご出身。日韓にまたがるルーツを持った若い世代がそのことをどのように捉えているのか、またどのような未来を描こうとしているのか、ヨンドゥさんにとってもパワーをもらえた時間だったようです。 |
知りたいのは、人間の中にある“ただひとつ”のこと。 |
日 時:2012年7月30日(月) 場 所:市内の通販会社事務所/ 直村信一さん(通販会社代表取締役) 「物や人が国と国とのあいだを行ったり来たりすること」に強い関心を持っているヨンドゥさん。韓国や中国から商品を仕入れ販売する会社を経営なさっている方にお話を伺いました。この方は実は韓国生まれで、子どもの頃に日本に渡ったとのこと。その頃の経験も話してくださいました。 |
日本で事業に成功している在日コリアン。 ヨン)私も日本に来る度、勉強して帰っています。韓国だったら、ひとつのアイディアを出して、すぐに実行する原動力がある国ですが、日本の会話の習慣、計画性のある仕事のやり方の習慣は、韓国人は勉強しなければならないと思います。 |
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日 時:2012年7月30日(月) 場 所:福岡市役所/ 奥田正浩さん(福岡市 住宅計画課長) 「街とは一体だれがつくるものなのか」という観点から、行政の立場でそのことを専門的に考えている市役所の方にお話しを聞いてみよう、とインタビューをおこないました。奥田さんは10年ほど福岡市の街づくりに関わる仕事に従事していらっしゃるそうです。「2012福岡の都市計画」という資料に基づき、福岡市の特徴や、都市計画がどのように立てられ実施されているのか、説明していただきました。 |
福岡市とは、どんな街なのか。 市役所職員・奥田さん)場所的には福岡と釜山は対馬海峡を挟んで、向かい合っています。当然、昔から行き来がありました。福岡の場合は都心部も含めほとんどが埋め立て地で、昔は袖の港(そでのみなと)という港があり、ここを中心に博多の商人が韓国や中国との貿易をやって栄えてきた街なんです。 |
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「身体と動きのワークショップ」
■日時:2012年7月27日(金)18:00~20:00
■会場:ぽんプラザホール
■対象:福岡在住の外国人の方、またはこのプロジェクトに関心のある日本人の方
■参加者:22名
日本を含む6カ国の方が参加。韓国語・日本語・英語、と三カ国語が飛び交うワークショップで、初めはみなさん少々緊張気味でしたが、からだを動かすとすぐに打ち解け、笑顔や声が出ていました。
<参加者のアンケートより>
声を出して、息を出し、踊ることがすごくおもしろかった。いろんな国の人とやると、からだの使い方など様々でおもしろかった/みなさん色々な国から来てるだけあって、ユニークで楽しかった。/ダンス未経験者なので最初は戸惑いましたが、気持ちよくできました。ダンスに国境はないですね。/体を動かして国際交流するのは初めてだったし、最初は恥ずかしかったけど、すごく楽しかった。/My body feels free and enjoyed.
2012年9月22日(土)19:00~21:30
会 場:福岡市文化芸術振興財団 会議室
対 象:30代以上の男性俳優/ 参加者:8名
3月に公演するひとり芝居の出演者を選考するためのオーディションを実施。福岡を拠点に活動する俳優さんたちが集まってくれました。ストレッチや2人組でおこなうシアターゲームから始まり、それぞれが事前に準備してきた「ひとり台詞」をさまざまなシチュエーションで披露。ヨンドゥさんが「皆さんにお土産です!」と持ってきてくれた韓国のお菓子をみんなでつまむ、和やかな時間もありました。
<オーディション後のヨンドゥ氏のコメント>
皆さんとご一緒した時間は、とても楽しく有意義なものでした。また、最善を尽くしてくださった皆さんに大きな感動を受けました。ですので、皆さんの中から一人を選ぶということはとても難しいことでした。このプロジェクト以外でも、是非いつか皆さまとまたお会いして、一緒に作業してみたいと思っています。
2012年12月8日(土)
会 場:福岡市文化芸術振興財団 会議室
対 象:福岡在住もしくは福岡に所縁のあるダンサー
参加者:14名
ダンス作品の出演者を選考するためのオーディションをおこないました。この日、なんとヨンドゥさんはソウルから日帰り!しかも行きの飛行機が大幅に遅れてしまい、実質4時間ぐらいの福岡滞在となりました。急な時間変更にもかかわらず、希望者全員が参加してくださり、皆さんの情熱あふれるオーディションとなりました。
オーディションが始まると、ヨンドゥさんが次々に参加者に振り付けていきます。穏やかな口調・リズムで進んでいくうちに、気が付いたらかなりハードな踊りになっていて、皆さん汗だく。さらに拍子を変えたり即興を入れたりソロで踊ったり…短時間ながらとても密度の高い内容でした。
■日 時:
2013年3月23日(土)-24日(日)
両日とも18:00〜
■集合場所:
九州大学箱崎キャンパス内
旧工学部本館前
NPO法人Japan Contemporary Dance Network
〒600-8092
京都市下京区神明町241
オパス四条503
TEL:075-361-4685
FAX:075-361-6225
(公財)福岡市文化芸術振興財団
〒810-0802 福岡市博多区
中洲中島町3-10 福岡消防会館6F
TEL:092-263-6265
FAX:092-263-6259
担当:横山、鈴木
JCDN国際ダンス・イン・レジデンス・エクスチェンジ・プロジェクト第2弾
韓国-日本 共同制作プログラム
平成24年度文化庁文化芸術の海外発信拠点形成事業